アラビア語の名詞で語尾にターマルブータが付くとほとんどが女性名詞になります。ただ例外もあります。一番有名なのがkhaliifa(後継者)という単語です。多分大学の始めの方の授業で教わったという記憶があります。女性の後継者という場合はどうなるのでしょうか。同じ単語を使って、女性名詞として扱うのでしょうか。これに似ている単語でkhilaafa(カリフ職)はターマルブータが付いていて女性名詞です。
ただkhaliifa以外の単語というと、記憶にありません。
ところが、最近、読んでいた短編に'umdaと言う単語が出ていました。前後の関係から明らかに男性名詞だったので辞書を見てみると、「村長」の意味でした。ターマルブータが付いた男性名詞は職業に関連する単語にはありがちとかすかに聞いた記憶もありましたが、正しいかどうか不明です。
ひょっとしたらいままでにもたくさん出てきたのに気がつかなかったのかも知れません。この単語を見たとき、何か四葉のクローバを見つけたような感覚になりました。
khaliifa & 'umda
発音通りだと「Sallaa allaahu alayhi wa sallama」となるのですが、グーグルで検索すると、上記の形がもっとも多く引っかかってきます。ローマ字では、S.A.W.とかS.A.A.W.とかに短縮して出てくることもあります。
意味は、「アッラーが彼に祝福と平安を与えますように」と訳せばよいようです。「彼」はもちろん、「ムハンマド」のことです。
ところが、一番初めにある単語Sallaaは「お祈りをする」という動詞と同じ語根になるので、思わず、「アッラーは彼に祈る」という罰当たり的な訳をしてしまいます。
また、Sallaaは三人称完了形と同じ形をしていますが、「完了」の意味はなく、祈祷文になります。
というようなことを、今日のアラビア語のお勉強で習いました。当然、アラビア語を習いはじめたときには覚えていたと思いますが、時々、確認しないと曖昧になっています。アラビア語はいつも奥が深いと感じます。
曰く「日本にいるすべてのアラビア語研究者が、団結協力すれば、日本人にあったいいものができるだろうにと思うと、現状が、蛸壺的に見えて、残念です。」。
正にそうですね。
アラビア語のオンラインの辞書はこの"アラジン"の他にも"On Line アラビア語辞書"や"アラビア語-日本語電子辞書データ"、更に大手GoogleやYahooなども独自の簡易辞書サイトがあります。個人的にも、いろいろ使ってみましたが、それぞれ一長一短があり、最後にはあのコーワンで確認していることがよくあります。
英語のオンライン辞書に有名な「英辞郎」という辞書があるのですが、これなどは正に何人もの英語大好き人間が、確かniftyのサイトで一緒になって作り上げた辞書と聞いています。
余りの評判の良さに、いまでは安く本屋でもCD版を入手できます。それもバージョン3まで発売されています。恐らく見出しの語彙数の豊富さでは日本一の辞書だと思います。英和も和英もかなりの確率でカバーされており、私も英語がらみの仕事にはほとんどこの英辞郎を使っています。
アラビア語はもともと勉強している人が少ないのですから、英語以上にまとまって、それぞれ勉強している人が、共同してオンラインで辞書を作ればいいなと以前から思っていました。
もちろん、間違いや食い違いなども多々でてくると思いますが、Wikipediaのように皆で手を加えて訂正していけば、段々完璧なものになって行くのではないかと思います。
"詩 - 私は話さなかった"
アラビア語辞書を作られているかたは、真面目で、完璧を目指しすぎるというのか、皆別々に同じように、且つバラバラに一生懸命努力しているように見えます。でも、ひょっとしたら非常に無駄な時間を費やしているのではないかと思います。
個人やグループがいくら最高のものができたと思っても、使ってもらわなければ単なる自己満足に過ぎません。大勢の人に使ってもらって初めて、間違いやシステムの不具合や使いにくさなどがわかってきます。やはり皆でいろいろ手を入れてより使いやすいものにしなければならないと思います。
恐らく、どんなに理想的なアラ-日辞書の原稿が出来上がったとしても、今の時代、辞書にしてくれる、殊勝な出版社は日本にはまずないでしょう。そ� �なら、そのデータを一般公開にして役立つものにすればどれだけ多くのアラビア語学習者が助かることかと思います。
アラビア語は他の言語に比べオンラインにした方がメリットが多くなります。既存の多くの紙のアラビア語辞書が語根主義なので、アラビア語学習者は、まず辞書が簡単に引けないということろで、いきなりつまずいてしまいます。アルファベットで引ける、誰でも使い易いオンライン辞書ができればアラビア語学習者の意欲も継続できると思います。
だれか旗振りをする人はいませんでしょうか?
以前よりある人がアラビア語-日本語辞書を作っているという話は聞いていました。ただ、果たしていつできるのやらと思っていたのですが、それが、つい最近、完成したと報告があったものです。
この新しいオンライン辞書はアラジンという名前で、Hans Wehre/Cowanの辞書の見出し語をほぼカバーしているとのことですので、単語数については申し分ありません。更に、動詞変化、格変化も詳しく載っています。
それからその引いた単語が古典(コーランとハディース)に使われている場合、そこにクリック一つで飛ぶことができます。おまけにその章句の意味も日本語で載っています。
この辞書の使い方は、下記の通りです。
1. をクリックします。
2.Linca Home Pageと出るはずです。もし画面に何も出ない場合は、画面の上の方にあるバーの表示(V)をクリックし、更にエンコード(D)、Unicode(UTF-8)に切り替えてください。
3.ホームページの一番上にある、アラビア語検索ソフト「アラジン」をクリックしてください。
4.すると、目出度く、「アラビア語検索エンジン アラジン Ver1」と出るはずです。
5.あとは空欄のなかにアラビア語の単語を打ち込むか、画面のアラビア文字をマウスでクリックしながら入れてから、下の方にある単語検索をクリックしてみてください。例文も含め、かなり詳しく単語の意味がでてきます。
6.日本語→アラビア語も同様に、空欄に日本語を入れてから、右下の和語検索をクリックすると、その日本語が使われた例文が現れます。
ちょっと使い方にクセがあるかも知れませんが、まあそのへんは作者のクセでもありそうです。いろいろ使ってみてからまた感想を述べたいと思います。
私はかなり以前にこの作者にお会いしたことがありますが、いかにもアラビア語を趣味にコツコツと勉強されている、まじめな、少し頑固そうなかたという印象でした。
近々、作者の完成披露パーティが行われる予定ですが、皆で大いに慰労したいと思います。
" xはクリスマスに何を意味しない"
アラブ人にとって月の光は大事なもので、昔々、商品をたくさん積んだラクダの隊商が夜に月明かりを歩くといった絵を想像させますが、それとイスラム教では相いれない「ギャンブル」の意味があるのは不思議な気がします。
ところが、今回カタールに来て現地のアラビア語の新聞を見ていると"alqmr"の文字の並びがあちらこちらに出ていました。� �後の文脈から判断すると、お月様の意味ではなさそうだったのですが、直前にjumuhuuriiyaとal-muttaHidという単語があります。そして援助の話になっていたので、これは「コモロ連合」という国名だったのが判明しました。
アラビア語を主なとして使っている国は22カ国あると言われていますが、いつも忘れられるのがこの「コモロ」です。だいたい場所が中東から遠く離れ、マダガスカル島とアフリカ大陸の間に位置するほぼ3島からなる小さな島国なので、カウントされていないケースも時々あるのですが、公用語にはちゃんとアラビア語、コモロ語、フランス語となっています。農産物とその加工が数少ない輸出産品です。もともとフランスの植民地で1975年に独立し、しばらく「コモロ・イスラム連邦共和国」という国名で したが、2001年に「コモロ連合」と改名しています。
今回のカタール・コーラン写本のセレモニーにも大統領が招待されており、ちょっと変わった正装で出席していました。新聞によると5000万カタール・ディーナール(約12.5億円)の援助を受けることが決定したことを伝えています。
過去20年ぐらいの間に大統領が暗殺されたり、亡命したり、クーデターがおきたりと政変が多い国で、それほどOIC(イスラム諸国機構)に寄与しているとは思えないのですが、アラブとしては大切なメンバーの一員として関係を保っているのだと思います。
アフマド・アブドゥッラー・サンビ・コモロ大統領とハマド・ビン・ジャービル・アール=サーニー首相兼外務大臣
現在、同じクラスで勉強している生徒は私を含め3名だけです。
以前は6名ぐらいいたのですが、長期出張や海外留学になった、時間帯があわなくなった、子供が生まれそうなどで、一人減り、二人減りということで3名になってしまいました。
だいたいアラビア語の新聞を辞書なしで読めるというレベルのクラスですので、どどっと新人が増えることはありません。
ただ、今までもこれぐらいの人数になると、新たに一人、二人と入ってきたので、また戻るかもしれません。
今日はちょっと変わった趣向で、「man anaa?(私は誰でしょう)」クイズをしようということになりました。
一人が有名人になりきり、そのほかの人がいろいろ質問をして、その人物がいったい誰かを当てるのです。質問は当然のことながらアラビア語で、かつ、「hal」文(yes or noで答える文)を使うこと、固有名詞は使えないなどの条件が付きます。
まずは、「hal anta rajul ?(あなたは男性ですか?)」あたりの質問から始まります。
やはりなんと言ってもアラビア語の語彙が豊富なほど有利であり、質問も多くできます。まあ、あまり質問がピントはずれだと、先生の方から助け船がでるのですが。
大昔、テレビかラジオで「私は誰でしょう」という番組がありましたが、それのアラビア語版というところです。
ということで、あと2~3人、活きのいい新人が入るのを待っています。
同性愛のRIDにどのように?
結構長くアラビア語を勉強していても、すぐに単語を忘れてしまうので、困るのですが、今日、アラビア語の勉強で新聞記事のヒアリングがあり、その中で「アンニムサー(an-nimsaa)」という単語が出てきました。
はて何の意味だろうと考えてしまいました。
前後の関係からヨーロッパの地名らしいのですが、ピンとくるところがないので、どこかの小さな地方都市だろうと思ったのですが、これがオーストリアの国名でした。
よく似た国名のオーストラリアの方は発音のままアラビア語でも書かれるのですが、オーストリアは、アンニムサーと発音され、そのように表記されます。
この単語の起源はどこかとWikipediaのアラビア語版を見てみると、ちゃんと出ていました。
ロシア語のnimiskiiから由来しているらしく、更には"すなわち、ドイツ"と補足がありました。
なぜロシア語起源の単語をアラビア語で使っているのかよくわかりませんが。
アラビア語で"アルマニア"がドイツのことというのもちょっと分かりにくいのですが、フランス語でも確かアルマニアのように言っていたし、比較的頻繁に出て来る単語なのでさすがに覚えていましたが、オーストリアは忘れていました。
因みに、同じオーストリアの項目にアルマジャル(al-majar)という国名も載っていました。
こちらの方は推測ができます。マジャール人の国ということで、ハンガリーです。ハンガリー人は自国のことをマジャールと発音するそうです。
探せばもっといろいろありそうですが、国名の表記方法というのは各国微妙に異なるのでなかなか面白いです。
オーストリア
今年発足した大学のアラビア語科卒業生のOB会の、更に東京近郊在住者の集まりがあり、この日は9名の関係者が集まりました。
現在の職種はバラエティに富んでいます。
中東関連の調査会社、新聞記者、繊維メーカー、デザイナー、主婦、放送会社、投資会社、銀行、それに書道インストラクター。
アラビア語科を卒業しても必ずしもアラビア語やアラビアに関係する仕事に就いている方ばかりではないのですが、私を含め5名がアラビア関連の仕事に就いており、結構多い感じがします。
年齢差もあり、異業種の集まりですが、アラビア語卒という共通なベースがある上、現役でバリバリ働いている方ばかりで、且つそれなりのポジションに就いている方が多く、話がいろいろな分野に及びました。
時々、アクセント的に大学時代の教授のエピソードや大学のキャンパス周辺の話などが入り、3時間近くも、その居心地のよい居酒屋で過ごしました。
新聞社や放送関係者もいたので、も� �ろんアラビア書道についても少し宣伝しておきました。
現在アラブの世界も大きく動き始めていることをこれら一線で活躍されている方から、生の情報で聞けるのはなかなか貴重な時間でもありました。
次回は来年春頃になりそうです。
ダイソーには墨汁だけでも3種類ほどあったのですが、その中で、筆が戻りやすいと書かれた書道液180mlを選びました。
名前の通り「筆が固まっても比較的戻りやすくなっています」とボトルの裏側にある細かい説明に書かれていました。こちらは竹筆で使うので余り関係ないのですが。
多分中国製だろうと思って裏を見るとMADE IN JAPANと誇らしげに書いてありました。メーカー名は書いてありませんでしたが、墨汁はまだ日本国内でも100円でも作れるのだなあと感心しました。
この墨汁は日本のみならず海外にも輸出しているようで、英語、フランス語、中国語、ハングル、そしてアラビア語でも製品名が書いてありました。
アラビア語で書いてあるということは、アラブ人がアラビア書道用に使用するかもということで輸出しているのかなと思いました。確か以前トルコの書家が日本の墨汁は非常に書きやすいと言っていたことを思い出しましたので、結構、隠れた需要があるのかも知れません。
アラビア語で2段で書いてあるので、まず、1段目をそのまま直訳すると、「180ml 書道用液状のインク」となりました。至極分かりやすい訳になっています。
そして問題は2段目の( )の中に書かれているアラビア語です。
余り見慣れない単語がずらずらと並んでいます。
アラビア文字の読める方は読んで頂きたいのですが、どこで切ったら良いかわからなかったので、適当に切って読んでみると、"fuud yuqaamuu dauran yasuwii"となります。
余り見たことがない単語ばかり続くので、辞書を引いて見ましたが、それらしき単語もなく、何か別の読み方があるのかな、といろいろ考えて読んでいるうちに、恐ろしいことに気が付きました。これはアラビア語ではなく、日本語であることが!!
つまり、これは切って読むのではなく、"fuudiiqaamuuduuraaysuui"、つまり"fudega modori yasui"(筆が戻りやすい)をそのままアラビア文字の音に当てはめて書かれているとということです。
qaafの文字を使ってgaaと発音させているので、恐らく湾岸諸国向けを意識してか、または翻訳したアラブ人が湾岸諸国のアラブ人だったと想像されます。
確かに英訳のほうでも"fudegamodoriyasui"と書いてあります。でも中国語訳では"簡単的快復原状的"とそのまま意訳されています。
この墨汁のブランド名だと言われればそうなのでしょうが、真面目なアラブ人がもしこの墨汁を買って、( )の中のアラビア語を読んだ時、どんな顔をするのか、楽しみです。
アラビア語訳のラベルの部分
大学にはもちろん全体的なOB会はあるのですが、私の卒業語科のOB会はありませんでした。卒業して30年以上も経つのですが、OBの強い要望もあり、急遽、語科の方のOB会を立ち上げることになり、今般、初めての開催されることになりました。
アラビア語などは私の頃は一クラス15人という少数精鋭(?)でしたが、その後少し募集人数が増え25人になりました。それでも、大学全体では100人もいないというミニ語科でした。それでも時は流れ、卒業生も1000人を超えることになりました。
初めての語科の同窓会ということもあり、60名ほどが参加されました。うち女性は20人ほどでした。もともと私の世代ぐらいまでは、男性ばかりで� �たので、これだけ集まればなかなか良い方です。
私のように関東からも10名ほどが来られていました。
まずは総会があり、会長を選任したり、事前に準備した会則を承認してもらったりと、いろいろ決定事項があった後にやっと懇親会が始まります。
久々に合わす顔も多く、歓談しているうちに、時間はすぐに終わってしまいます。
メディア関係の方も多く、以前アラビア書道を取り上げて頂いた新聞社の方も来ておられました。また、取り上げてくれるようお願いをしたり、他のメディアの方々にはネタがなくなったら思い出してくれるよう営業活動をしておきました。
卒業後は語科の仲間での集まりというものがほとんどなかったため、ほとんどお会いしたことがない顔が多く、いろいろ話を聞いているとバラエティに富んでいて面白かったです。
やはり、日本アラビア書道協会の肩書きは目立つため、いろいろお声を掛けて頂き、大急ぎで作成した、特製の名刺を渡し、大いに宣伝してきました。
アラビア語を今でも仕事に使っているOBはほとんどいませんでしたが、それなりの会社の重鎮を務めておられる方も多いです。
一応、OB会が無事立ち上がり、今後2年に一度、同窓会が開かれることになりました。ただ、次回以降は何か目玉を作らないと尻貧になる可能性もあるので、運営には工夫がいるなあと思います(経験上)。たとえば、ジャーヒリーヤ時代の難解な古詩などの解説を元主任教授にしてもらうなど、久しぶりにいつもと違う脳の部分に刺激を与える意味にも面白そうです。
最後に全員の記念撮影を行い、お開きとなりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿